2023年に読んでおもしろかった小説

『方舟』夕木春央

地下建築に閉じ込められた9人。8人が助かるために1人が犠牲にならなければいけない状況になる。そんな中、殺人が起きる。犯人以外の者たちは「犯人が犠牲になればいい」と考えそうな状況だが、果たして犯人は誰なのか?無事に脱出できるのか?

 

私の好きな感じのミステリーでした!最後の展開が特に好き。ミステリーなのであまり詳しく話せませんが、ミステリー好きにはぜひ読んでみてほしい1冊です!ちなみにミステリーを読みなれていない友達も読んでくれたのですが、「途中までは難しかったけど最後の展開が良かった」と言っていました!

 

十戒』夕木春央

浪人中の里英は、父と共に、叔父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

Amazonより引用)

 

『方舟』と似た装丁ですが、完全に別のお話です。こちらもおもしろかった!いつ犯人に爆弾を起動させられるかというハラハラの中で、密かに犯人探しをします。みなさんは真相に気づけますか?

 

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

スピラリンクスという会社の最終選考に残った6人の大学生は、最終選考は言わば「チームディスカッション」であると聞かされる。6人のチームワークが鍵となるディスカッションである。それに向けて6人で準備を進めていくが…。

 

6人の現在の様子と最終選考の様子が交互に描かれ進んでいきます。たくさんの伏線が次々に回収されていく様は圧巻でした。登場人物の見え方も二転三転させられる構成になっています。私たちは一部を切り取って全部をわかったつもりになってしまっている、ということを突きつけられました。

 

『愛じゃないならこれは何』斜線堂有紀

オタクをストーカーするアイドル、男とのロマンティックな関係性に酔っているデザイナー、好きな人の気を引くために無理やり趣味を合わせようとする女、仲良し3人組を守るために動き出した2人など、様々な恋愛模様が収録されています。

 

私は普段あまり恋愛小説を読まないのですが、SNSで見かけたこの本がなんとなく気になり読んでみました。「恋愛というものの多様性」を見てみたかったのかもしれません。そしてその希望は叶えられました。こんなに多種多様な恋愛物語を考えられる斜線堂さんってすごいな……と思いました。甘々恋愛小説が苦手な方にもおすすめです。